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 その昔、北の国に 釣り好きな
 ひとりのサンタがいた。

 遠い東の国へ向かう途中
 眼下に美しい湖を見つけた。

「ちょっとだけじゃよ」

 小ぶりの釣具を取り出すと
 氷に開いていた穴から
 次々と小魚を釣り始めた。

 ひとしきり釣りを堪能すると
 サンタは笑顔で言った。
「そこで よだれを流している諸君
 これは私からの贈り物じゃ。
 メリークリスマス!」

 魚の取合いを始めた子供達を後目に、
 母ギツネは空に消えてゆくソリを
 いつまでも見送っていた。