がぶん@@ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Profile 9/2024
Archive
Categories
iShonan BLOG! Top © iShonan |
[Web Log] / 08/16 11:45
異常になついあつじゃなくてあついなつ!! 地球温暖化がいかに深刻かよく分かった。 バイト連中があんなに冷凍庫に入りたがるなんて、、、、。 フリーライティングの仕事をしていた時期があった。 その頃はまだパソコンじゃなくワープロで文章を打っていた。 パソコンも既に使ってはいたが、原稿を書くにはやはりワープロのほうが使い勝手がよかったからだ。 具体的な仕事の内容は、編集プロダクションからの注文を受け、セブンイレブンとかローソンとかによく置いてある文庫本を書くことだ。 ジャンルは「エッチ本」「とんでも科学本」「雑学本」「医学本」「ギャンブル必勝法」「オカルト本」「恐怖本」と多岐にわたるが、いずれも一冊400字詰め原稿用紙250枚程度で、それを一人で書く場合にはおよそ3週間というなかなかのハイペースでこなしていく。 同業の仲間もおり、本によっては、それぞれ章を分担して共同で書き上げることもよくあった。 我が家に男と女のライター2人を集め、ワープロ三台並べて鬼打ちするのが常だった。 一冊書くとだいたい45万円程度にはなるので、一人で三週間かけてもけっこうおいしい仕事ではあったと思う。本によっては二週間程度で書けるものもある。 それを三人で書けば当然一週間くらいで書き上がるので、それで15万程度になるのだから決して悪い仕事ではない。 ただ、「とんでも科学本」や「雑学本」の場合は下調べが必要で資料の下読みにも時間がかかるのであまり効率がよくない。 もっとも、資料集めが必要な場合には、発注先から資料本の提供を受けたり、ギャラも2割程度上乗せがあったと記憶している。 その点、効率がよく一番楽だったのは「恐怖本」や「エッチ本」である。 資料調べとかはまったく不必要だし、あとは自分の想像力とスケベ心だけで書き進めることができたからだ。そりゃまあ筆の進むこと(笑)。 特に「エッチ本」の注文が多かったが、ほとんどの場合投稿告白スタイルで、様々な職業の女性(投稿者はたいてい女性という設定)が、色んな場所で色んな人と色んなエッチをするという、それはもうくだらない内容なので(笑)、ほぼ推敲することもなく次々と話しをでっち上げていく。 断言するが、恐怖体験にしろエッチ体験にしろ、出版メディアに掲載されている記事は100%ライターの作り話だからそのおつもりで(笑)。 しかし、同じような内容で何冊も書くのだからそのうち書くことがなくなってくる。 三人分担で自由に書いていると色々重複する部分が出て来たり、特に、主人公となるべき女性の職業設定も、気付いてみると先生や看護婦(今は看護師)がやたら多くなっていたりして、こりゃマズいということになり、ある時考えついた! まず、考えられるだけの職業を100個以上リストアップする。 そして、ポスター程度の大きさの紙を用意して、大きな円を描き、円を適当に分割してその職業全部を書き写す。 そう、ちょうどダーツの的のようになる(笑)。 そして、離れた場所から三人順番に実際にダーツの矢を放ち、当たった職業の設定でひとつの話しを作る。 それを繰り返す。 たまたま連続して同じ職業に当たってしまった人も、これはやっぱりルールだからさ! というわけで、大して意味の無いルールに従い同じ職業で話しを作る。 思いつく限りの職業なものだから色々ある。 それにしても、「土地家屋調査士のエロ話」って、いったいどんなんだー! と自らツッコミたくなるようなケースも出て来て、それがまた意外で面白かったりする。 なんとかアイデアをひねり出し、無理矢理エロ話しに持ってゆくところが楽しい苦労となる。 三人がそれぞれ規定の枚数を書き上げると、内容の照らし合わせをすることになり、重複部分の訂正や、他の二人が意見を言い、エロさ具合が足りないとか、エロ過ぎてリアリティに欠けるとか、、、そしてさっさと書き直す。 書き手の意地とか誇りとかとは無縁の世界なのだ(笑)。 どうせ著者の個人名は出ない。 著者はたいてい「○○研究会編」というような編著となる。 そうやって出来た本がコンビニに並ぶ。 基本的に今でも同じスタイルで書かれた「テキトー本」が何冊も並んでいると思われる。 そうした本に、基本的に増刷はない。 当時は、一作6000〜10000部刷られ、神奈川県内に2000件ほどあったコンビニに、3〜5冊程度ばらまかれ売り切りを目指す。 一店舗当たり3〜5冊程度なら、まぐれでもなんとか売れそうな感じ、、、ではないか。 中にはその2倍くらい刷られた本もあった。 「学校の怪談」や「トイレの花子さん」とかは、二ヶ月後映画化されるんでその前に急いで!! という注文だったので、やっつけで書いた記憶がある。 中身は小中学生の投稿スタイルなので、子供思考に戻って書くのだが、それもまた楽しからずや(笑)。 ペーパーバックライターにはモラルなんてない。 というか、世に氾濫している出版物にはほとんどモラルなんてないのではないかと思われる。 ひょっとしてこのコラムは内部告発?掟破り?かもしれないが、面白いので書いちゃってます(笑)。 タレントや著名な医者のゴーストライティングもする。 タレントの場合は、広告の裏側やノートの切れ端やティシュ(笑)などに書かれた数百枚のメモ書きを渡され、それを一冊の本にまとめあげる。 医者の場合は、編集プロダクションからその人物が過去に出版した10冊程度の書籍がまとめて送られてくる。 で、注文は、その十冊の中から様々なデータを寄せ集め、新しいコンセプトを立てて一冊の新しい本にして欲しいと。 かと思えば、大手出版社が発行しているメジャーな旅雑誌(これは今でも発行されている)の体験旅日記という仕事もあったが、書いていてさすがにこれは気がひけた。こんなんでいいのか!と。 その時の仕事は、25歳のOLと40代の主婦の一人旅日記、、、という設定。 そのどちらの目的地も、僕はまったく行ったことがない場所。 しかも、発注元の条件として、現地にライターを派遣するほどの予算はないので、取材はすべて電話で済ませること(笑)。 あらかじめ受け取っている資料を元に書くのはもちろんだが、それはあくまで過去のデータなので、現状がそれと一致しているかどうかを電話で直接確かめる必要があるからだ。 そうして、空想上旅人が立ち寄る店や現地で会うしかるべき人たちに電話取材を行い、あたかも見て来たような嘘を、それぞれの女性に見合った筆致で書いていく。 あとは、適当な写真データを添えて、はい出来上がり。 その一環として清水次郎長の家に電話したこともある。 電話に出たのは次郎長の末裔の奥さんで、旦那が病気で倒れて入院生活が長く、商売のお土産屋さん(次郎長関連グッズ中心)を切り回すの大変でやんなっちゃうと、なぜかひどくぼやいていたが、そんなことは書けない(笑)。 それが実際に旅日記として雑誌に掲載される。 それを読んでいる読者は、まさかそれが創作であるとは思うまい。 そうやって記事が作られていることを知ったら怒るだろなー(笑)。 果たして、今もそうなのか僕は知らないが、たとえそうであってもたぶん何の問題も起きない。 高瀬がぶん Add Comment |