BlogPic
BlogPic

コロナが話題になって、感染者が増えるのと平行して
けっこう長い間「アマビエ」が話題になっている。
私も自粛生活の間に『この妖怪の正体は何かな?』と
ぼんやり眺めたり、資料を読んだり・・・。

ある日、自分の描いたイラストを目にした時に!!!
(上の絵)閃くものが あって「アマビエ」の原点は
魚に違いないと思うようになった。

眼は四角、耳はヒレのようで体には鱗があり、更に
尾もヒレ状。髪はやたらに長く足元まで・・・。
まとめると海草を被ったある種の魚がモデルでは?
実際アオブダイは雑食性だが、冬場はハバノリなど
この絵のような海藻を主食にしている。

つまり(下の絵)のようなイメージが最初にあって
誕生したのでは・・・と。

「parrot」はオウムのことで和名は「アオブダイ」。
沖縄・奄美の海に棲息し色彩の個体変化が大きい。
成魚になると丸く突き出たオデコにおちょぼ口が何とも
個性的で、カラフルな羽根のオウムにどこか似ている。

この魚離れした愉快な風貌と色彩は、人を驚かせるのに
十分な姿だが、成長すると最大90cmほどにもなる。
ということは、頭部分が人の顔に近いサイズにまで
大きくなるということだ。

このままの外見では妖怪らしさがやや不足と思えるが
長い海藻をかぶらせて、それらしく整える位のことは
妖怪絵師だったらやりそうなことだ。

また、食性からパリトキシンという毒成分を体に蓄える
個体が確認されていて、食べると死亡に至る報告もあり
最悪の食中毒を発症する可能性を秘めている。

更に眠る際は口から粘液を出して、薄い半透明の寝袋を
作り、その中で眠るという奇妙な生態が知られている。
妖怪と恐れられるに十分な、怪しさと可笑しさ両方を
兼ね持っている超個性的な魚と言える。

そんな訳で、リメイクして下の絵を描いて見たのだが
誰も見たことがなくて、人から人へ伝わっていく間に
尾鰭がついて、徐々に妖怪らしく進化していくのも
この手の人相(?)書きの宿命かもしれない。