今日はジョン・レノンの命日である。
ジョン・レノンが殺されたことを知ったのは、通学途中のバスの中だった。
期末テストの2日目の朝だったと思う。
後日、テスト結果が悪かったことを「ジョン・レノンがなくなったショックで…」とか言っていた輩もいた(おいおい、そんなにファンだったのか?と突っ込みを入れたのは私だけではなかったけれど)。

洋楽に疎い私でもビートルズは知っていたし、ジョン・レノンの名前くらいは知っていた。
けれど、そのことをよく覚えていたのは、当時発売されたばかりのダブル・ファンタジーに興味があったからだ。

当時はまだCDがなく、アルバムは紙ジャケのLPだった。
レンタルレコード店をよく利用していた私だったが、ごくたまにLPを買うことがあった。
購入の基準はジャケット。いわゆるジャケ買いというやつだ。
ダブル・ファンタジーは、私の購入意欲を刺激するジャケットだった。
久しぶりのアルバムだったからなのか、篠山紀信が撮ったジャケットだったからなのか、かなり話題になっていたようだった。
たしか新聞記事でアルバム発売のニュースを読んで「欲しいな」と思ったのを覚えている。

その後、1ヶ月もたたないうちにジョン・レノンは射殺され、ダブルファンタジーはさらに話題になる。
話題になりすぎると購入意欲が萎える天邪鬼な私は、結局買わずに終わってしまった。
そんないきさつから、ジョン・レノンの命日は記憶にあるのだと思う。

あれから30年の月日が流れた。

「基本的な才能とは、自分に何かができると信じることなんだ」

ジョン・レノンの言葉だそうだ。昨日ラジオで流れていた。
それを聞いて20代の頃、言われた言葉を思い出した。

「なりたいと思い続けていれば、思う自分になれるもんだよ」

ジョン・レノンの言葉に通じるものがあると思う。

思い続けるということは、その思いに向かって行動することなのだとわかったのは、ずいぶんあとになってからだ。
ただ思っているだけで、行動も努力もしなければ、夢はかなわない。

30年前の私は、まだ何も知らない10代で、だけどその分、夢や希望にあふれていた。同じくらい、不安も不満もあったと思う。
でも、なりたい自分も描いていた。

その「想い」に向かって、努力はしただろうか。行動は起こしただろうか。
答えは「否」である。
だから、追いつけない自分がいる。そして、不安と不満だけが残っている。

自分を信じて、思い続けること。そのために行動し続けること。
それは、やっぱりひとつの才能なのだ。