「お腹のエコーで子宮筋腫があることがわかりました」
K先生は最初に「入院・検査が初めてとのことなので、痛みを伴わない検査から始めます」と説明して下さった。
私も母の負担を減らしたくて、素人ながら確率の高い検査から始めれば体が楽かもしれない?と思い、数年前に聞いていた子宮筋腫の話を予め伝えてあった。
「やはりありましたか」
「(出血は)胃や腸でなく、筋腫ならいいんですが。婦人科医に診てもらいますね」と先生は説明して下さる。
友人K君に似ているからヒイキ目だとは自覚しているが「いい先生だなぁ」と思う。
先生は母のために、ここに書いていない事柄もご尽力下さっていた。
それは医療を超えた部分であったけれど、人として先生が母を思いやって動いて下さったのだ。

母は4月に白内障の手術を控えていて、子供の頃からほぼ見えない左目が、今より視力を取り戻すのを楽しみにしている。
濃い赤・青・黄・緑は判別出来るが、黒と濃い茶は区別が難しい。薬剤師さんは、母の為に2種類の薬を1回分ずつ小袋に入れて下さった。
これなら見間違って同じ薬を飲んでしまうことはない。
更に表の袋には赤く大きな字で《朝1回》と書いてある。
事務職を経験した私は、この細かい作業は手前がかかるとわかる。
看護師さんや点滴やリハビリを行うスタッフの方々も明るく、面会時間に顔を合わせると、私までほっとする雰囲気がある。

母の治療・看護をしてくださる方々に私も弟も非常に満足した。
今まで頑張ってきた母であるからこそ、恵まれた治療という贈り物がきたと私は感じていた。
いい加減に生きてきた私に同じ状況が起こったら、これだけの環境が整うだろうか。
つづく…