退院の2日後、入院中にK先生からOKが出ていた眼科の診察に行った。
母は4月に白内障の手術をする予定がある。
眼科のA先生は声が大きくて、若者も顔負けなくらい元気ハツラ〜ツ!
私は密かに「ハイテンション」とあだ名をつけた。(まんまじゃんか)
この部分だけで、関係者(患者)には誰かわかってしまうのでは…とヒヤヒヤする。

Dr.ハイテンションは母が2日前に退院したと知り、経過が書かれたパソコンを見ながら「前回の審査の時より、今のほうが元気ってことなんだ!」とニコニコした。
良いことを発見して、嬉しくて仕方ないというふうに。
「ということはさ、もう手術前に行う予定だった検診は(内科入院中に)終わっちゃってるんだ!」
先生は診察室のカレンダーを見たあと「27日、左目できるなあ。どう?」と笑顔で振り向いた。

「は…?」
「これから行う予定だった検診が既に終わっていますからね、あとは今日と手術1週間前の診察・検査で手術が出来ますよ!」
つまり、見えないほうの左目が2ヶ月前倒しで手術出来る。(見えるようになる!)

手術は初めての母だけど、すっごーく楽しいことを提案された気分で不安はなし。
母と二人「27日入れて下さい。お願いします!」と即答した。

その10日後、再び眼科へ行った。
先生は相変わらずハイテンションで「どうですか。決心がついていたら27日で…」とおっしゃった。
そうか、この前のは仮予約だったのね。

そうとは思わず母も私達も手術する気満々で、すぐに叔母に電話していた。
「よかったねぇ。良いことが続くじゃないの。良い時はトントン拍子で進むもんだよ。お天道さんは見ているからね。まじめに頑張ってきた人にはいいことがあるんだよ」と叔母は喜んだ。

まだ途中ではあるけれど、物事は“あと”で振り返ると逆転することはあると思う。最初はあんなに不安だった内科の入院。
入院し輸血して検査して、そのお陰で眼が早く見えるようになる。これは母が一番望んでいたことだ。
入院したあの頃はわからなかったけれど、過ぎてみればこんなに楽しいことが用意されていたんだね。
つづく…