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© 2015 iShonan
   
[BookReview] / 09/19 23:15

いつも胸の奥がざわざわしている。
気づくと、その人のことを考えている。
何か理由をつけて、その人に会いたいと思う。
電話をして、声を聞きたいと思う。
でもそれは、決してかなわない。

その人は、私より7歳年下で、
その人は、清潔で礼儀正しくて、
その人は、いつもほほえんでいて、
その人は、いつも少しだけぎくしゃくしていて、
その人は、なんとなくセンチメンタルで、
その人は、なんだか間違っていて、でもそのことも知っていて、
その人は、女性の望みを叶えるのが上手で、
その人は、女の子をきちんと愛することができなくて、
その人は、卵料理が好きで、
その人は、あまりお酒が強くなくて、
その人は、夏の終わりがあまり好きじゃない。

その人の名は、ニシノユキヒコ。



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[BookReview] / 04/16 23:56
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タイトルに惹かれて、ずっと気になっていた本だった。
文庫のカバーもなんとなく雰囲気がよく、「いと浪漫チック」な内容を期待していたのだ。

しかし、文芸春秋のHPでは「究極の驚愕、ミステリーの奇跡がここにある」とあり、「あなたは最後の一時まで、ただひたすら驚き続けることになる」とまで書かれている。

確かに、ミステリーというか、推理ものではある。恋愛的な内容も含まれている。
終盤になればなるほど、意外な事実が展開されて、ばらばらだったピースがひとつになっていく。

そして最後の最後に、思わず「え〜、そうくるか」って言葉にしてしまうほどのドンデン返しがある。だけど、この驚きは推理小説としてのものではない意外性というべきだろうな。確かに思い返せば納得する複線が、そうとはわからないよう巧みに引かれている。
かなり特異な展開だけど、最後まで読んではじめてタイトルの意味がわかるのだと思う。

“葉桜の季節に君を想うということネタバレ”って検索ワードがあるはずだわ。

「そうなんだよな、みんな、桜が紅葉すると知らないんだよ」
主人公である元私立探偵・成瀬政虎の終盤のこの台詞が、タイトルにつながっているのかな。

赤や黄に色づいた桜の葉は、木枯らしが吹いてもそう簡単に散りはしない。

この小説の最後の一文である。
私たちがイメージする“葉桜”とはちょっと違って、桜の葉のことなんだろうけど、このフレーズが本書のすべてを象徴していると思う。

私としては、推理小説でも恋愛小説でもなく、まったく別ジャンルの小説(これを語るとネタバレにつながりそうなので心に秘める)としてなら、楽しめると思う。でも感想が両極端に分かれそうな本だった。

追記:これ、絶対映像にはできないと思う。読んだ人ならわかるだろうなあ。

Comment from 敦子
[Comment] / 04/23 8:37

YUMIちゃん、、さっそく買いましたよ~~。☆*★*♪ 

読み終わったら、カキコしますねΣd(ゝ∀・)!!
[Comment] / 04/21 15:38

敦子さん

コメントありがとう。
この本はね、本当に好き好き分かれると思いますが、敦子さんは好きなタイプかも!?しれませんよ。
ちなみに私は、ブックオフで見つけてしまいましたのよ(こっそり)。

もし読んだら、感想聞かせてね。
Comment from 敦子
[Comment] / 04/21 1:33

由美ちゃんの解説を読んで、読みたくなりました。

書店で探してみます*。。。*☆
[BookReview] / 11/15 6:17

最初の読後の感想は「中学生の時に読みたかった」でした。

中学1年生のまいが、おばあちゃんと主にすごした日々を中心に書かれた物語です。
この夏(多分)あたりに読んだのですが、中一の姪っ子に読ませたくて読み返してみました。

まいはイギリス人のおばあちゃんに、魔女修行を伝授されるのですが、それは…。大人になってしまった私にも(大人になってしまったから?)難しい修行です。
そして、おばあちゃんが魔女たるべき証拠(?)をまいに伝える、ラストの場面。
文庫の帯には「最後の3ページ、涙があふれて止まりません」とあります。あふれるほどではなかったけれど、泣けました。
この年齢だからかなあ…。

思春期の頃に読んでいれば、もうすこし違った生き方ができたかもしれない、そして、大人になってまた読み返したい、そんな本です。

生と死について、静かに書かれています。「生きる」ということについて本当に大切なことが書かれていると思いました。
映画にもなった話題の小説、映像ではどんな風に描かれたのか興味はありますが、小説のままイマジネーションを膨らませて読むべき本ですね、これは。

雑多に本を読みあさる(主に軽い小説ですけど)私ですが、間違いなくベスト10の上位に入ります(私個人の、ですが)。
この本、思春期に読んでいたら良い意味で、もっと力を抜いて生きてこれた気がする…。そして、まいのおばあちゃんみたいに、自分を持って生きることができたかもしれない、と思うのです。

ちなみに、私はこの著者の別の本を読んでいるはず
(名前がちょっと変わっているので、記憶にあり)なのですが、
まったく思い出せません…う~ん。

[BookReview] / 12/19 10:30

気付いたら、その人に音もなく絡め取られていた…。
その人は優しい。その人はしなやかな指を持っている。その人は清潔で礼儀正しい。その人はお酒があまり強くない。その人は卵料理とあんドーナツが好き。その人は夏の終わりがあまり好きじゃない。その人は忘れられない過去がある。その人は女を放っておかない。その人は女が放っておかない。その人は女性の心を見事にすくい上げるのに、わずかな隙間からこぼしてしまう。その人はいつもどこかぎくしゃくしている。その人は自分と自分の愛の居場所をいつも探している。年齢不詳。彼の名は、西野幸彦。

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小説の主人公なんですけどね。川上弘美著「ニシノユキヒコの恋と冒険」。一人の男性を主人公とした10編の短編小説。恋愛関係だけでなく、彼と関わりを持った女性達が、さまざまな角度と呼び方で「ニシノユキヒコ」を語っています。ニシノユキヒコの心情は彼女たちが思い起こす台詞のみで綴られ、本人が語る章はありません。
ニシノユキヒコは時にはさりげなく、時には強引に女性を惹きつける。あるいは彼女たちの日常に滑り込む、潜り込む、常に背後に女性の影をちらつかせながら。なんだか女性にだらしないダメ男、女たらしとも言えるかも。そして唐突に、あるいはゆっくりと、女性の気持ちは彼から離れ、彼から去っていく。嫌いになって別れるのではなく、ニシノユキヒコを好きなまま。
全章を読み終わった瞬間、私は唐突に気付いたのです、ニシノユキヒコに恋してしまったことを。「こんな人が現実にいたら、絶対好きになってるなぁ」と。恐るべし、ニシノユキヒコ。そして、さらに恐るべきは、作者の筆力。

ところで、この本を読み始めたとき、「作者はもしかしたら童話を書いていたのではないか?」と思ったのです。ご存じの方もいると思いますが、作者の川上弘美氏は1996年に「蛇を踏む」で芥川賞を受賞しています。藪で踏んだ蛇が「あなたのお母さんよ」と言って部屋で料理を作って待っていた…。かなり不可解です。
デビュー作は「神様」という短編です。くまに誘われて河原に散歩に出る。そのくまはけっこうインテリで料理が上手。まあ、こちらはちょっとメルヘンちっくで、何となくわかる気がする。
でも、思い起こせば私がはじめて氏の小説を読んだのは、LOVERSという小説集の1編でして。


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この中の「横倒し厳禁」という短編がそうなのですが、ちょっと他の小説とは違う印象がありました。リアルな恋愛感じゃないところが良かった気がします。
川上弘美氏の、人間だけではなく動物や植物の間を行ったり来たりする、現実と空想の狭間で描かれる物語に魅力を感じる方もいるでしょう、その独自な世界を評価して。でも、私は彼女の書く恋の物語が好きです。リアル過ぎない現実感、読み進むうちに染みこんでくる哀しさや温かさ…。そこには優しく清らかで美しい、小さな“うそ”が、絶妙なバランスでちりばめられているからなのかもしれませんね。

Comment from Y
[Comment] / 12/19 22:59

センセイ、ですかぁ。悩みますね、実はけっこうお年じゃないですか。寺尾聡やじゃ若すぎる気がするし、藤竜也とか?いい感じに枯れた役者さん、なかなかいないですよね。
ニシノユキヒコは、あの人ですよ、ムフフ。恋いはしないと思いますが、多分。役者だと誰かなぁ、藤原竜也あたりいかがでしょう?
Comment from ロニイ冗談
[Comment] / 12/19 21:20

ニシノユキヒコね・・・悪い奴!あたしゃセンセイのが好き。映画化されてセンセイ役を柄本明がやってたがイッセー尾形がいいなぁと思った。ただ好みなだけだが。ニシノユキヒコは誰がいい?くるりの岸田がいいです。好み。。。
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